全体感は画家、特に水墨画家の才能の重要な指標です。

 

技術がどれほど高くても、全体を把握できなければ、それは十分ではありません。これは画家の修養、学問、胸襟、技術だけでなく、天然の素質と感受性も含まれ、もちろん後天的な訓練も必要です。

 

美学的な視点から見ても、絵画そのものの理解から見ても、または本質的な法則から見ても、才能という問題には非常に深いものがあります。来支鋼の絵は、我々が画壇で見てきた山水画を超えています。

 

このレベルは非常に微妙です。

 

縦深線は山水画の大きな空間を貫いているもので、中国山水画の生命線です。山水画家がこの縦深線を十分に表現することは非常に難しいことです。言葉で表現するのは難しいですが、山水画の中の視覚的な景象を通じて表現する必要があります。

 

そして、その難しさは生命の把握にあるだけでなく、空間の広がりも非常に見事です。水墨画の中でよく「元気淋漓障犹湿」という表現を耳にしますが、この「元気淋漓」とはどのような芸術の高さなのかをいつも見たく思っていましたが、今日それを目の当たりにしました。